よしみイチオシの本

言葉の呪い。山下和美著「ランド」という漫画がメチャクチャ深い

こんばんは、よしみ(@saltrice1225)です。

「この世」を変えたいなら、自分という呪縛から抜け出さないと始まらない。

「一生懸命マジメに生きてきたのにソンばかり」

「私のことなんて誰も理解してくれない」

人間の集団で生活をしていると、誰しもが自分自身に呪いをかけています。

「社会」の気持ち悪さから目をそらすために、

「みんな同じだからそういうものだ」

と、無意識のうちに自分の考え方や行動を縛りつけていませんか?

ふだんあまり漫画を読まない私よしみが、久々にドハマりした漫画があります。

「ランド」という作品なんですが、登場人物のセリフにいちいちドキッとさせられるんです。

1巻だけなら無料だし寝る前に読むかー、とAmazonを開いたら最後。

気付いたときには、お金を出して全巻まとめ買い。

一晩で一気に全巻読破してしまうくらい、深入りできる面白い作品でした。

もっといろんな人に読んでほしいと純粋に思ったので、勢いで紹介します(‘ω’)ノ

※Amazonなら1巻はタダで読めるので、気軽にどうぞ!

ざっくりとあらすじ紹介

雑誌「モーニング」で連載している、漫画家・山下和美さんの作品です(現在コミックス6巻まで発売中)。

その村では、人は必ず50歳で死を迎える。

村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。
双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。

獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。
そして、不思議な山の民。

杏が見つめる先には希望も絶望もある。

この物語で描くのは山下和美が抱く、日本という国への不安。

『天才 柳沢教授の生活』『不思議な少年』で人間を見つめ続けてきた山下和美が挑む新境地。この閉ざされた村が舞台の物語で描き出そうとするのは、人間社会の恐ろしさと生きることへの希望。NHK『浦沢直樹の漫勉』での”産みの苦しみ”の姿も話題を呼んだ本作は、著者自らも「はじめての挑戦」という意欲作です。

※Amazonの作品紹介ページから引用)

表紙やあらすじだけ見ると、「昔の日本みたいな世界観?」という印象。

しかし、この「ランド」で描かれている世界は今の日本そのものだと断言できます。

実はこの作品、当ブログでもたびたび紹介している人気ブロガー・あんちゃさんにオススメされて気になったのがきっかけ。

※このときに聞きました。

ゆるいギャグ物ばかり読んできた私が脳内をガツンと殴られるような、かなり重厚で考えさせられるテーマの作品でした。

かなりボリュームのある内容ですが、ストーリーの展開にどんどん引き込まれていくので意外と読みやすかったです。

読者の胸をグサッと刺すような、純粋なのに核心を突いてくるようなセリフが脳裏にこびりつくこと間違いありません。

私自身、夜中にひとりで読んでて思わず

「ウワッ、マジカ・・・」

と声を上げてしまうくらい鳥肌が立つようなシーンを何度も体験しました。

深い。深すぎる。

こんな人に読んでほしい

  • 日本人特有の集団心理に嫌悪感を持ってる
  • 自分の生き方が正しいのかいつも不安だ
  • 今いる世界が狭いことを自覚できていない

「ランド」の序盤で特に細かく描写されているのは、人々の集団心理がどれほど愚かで恐ろしいかということ。

主人公の女の子・杏が生まれ育った環境は、まるで私の実家周辺みたいな超絶ド田舎の村社会です。

杏は数多くの出来事を通して、人間社会の気持ち悪さや不条理、そして「触れたらいけない」ような疑問に対峙していきます。

「ただ、知りたいだけなのに・・・!」

どうしてみんなは知ろうとすることを悪いというのか、そもそも好奇心を持つこと自体が間違いなのか。

「私、死にたくない」

杏だけではなく、今の日本に生きる私たちも実は同じ境遇なんじゃないでしょうか?

別に「あの世」に行きたいわけじゃない。

「この世」に居場所なんてなくていい。

ただ杏は、○○という最強の武器を手に入れた。

この先、杏はどのようにして自分の世界を切り開いていくのか。

命を懸けて不条理と戦い続ける杏の成長を見ていると、まるで自分のことのように感情移入してしまいます。

マジメに生きても報われない

杏の叔母・真理は、社会のルールやしきたりにキッチリ従うマジメなキャラクターでした。

嘘をつかず勤勉に、目の前のやるべきことだけを一生懸命こなしていれば必ず報われる。

涙をのみながらでも不条理を耐え忍び、平和な日常を求めて生き続ける。

真理は、まさに現代の良心ある日本人像そのもの

しかし、現実は目を覆いたくなるほど残酷なんです。

※「ランド 2巻」 P255より引用

なんで私がこんな目に遭わなきゃいけない?

群衆の集団心理とは、ホントにくだらない「祭り好き」ですが、時には凶器として無作為に襲いかかってきます。

マジメに生きているあなただって、いつ標的にされてしまうのかわからないのが社会の恐ろしくて気持ち悪いところ。

人間なんて醜いものだから目を覆ってしまいたい、でもこれが現実なんだから受け止めないと・・・

他者の言葉に縛られるという呪いによって、罪のない人まで人生を壊されることだってあります。

マジメだと言われる人ほど、一度壊れると元には戻れません。

個人的にも、思い当たる節がありすぎていちばん心が痛んだシーンです。

自分への呪い

ストーリーの途中で、杏は和音という謎の少年に出会います。

時に言葉は、他者だけではなく自分自身に呪いをかけていることがあります。

「私があんなことさえしなければ、こんなことにならなかった」

「今の最悪な環境を生んでしまったのは全部私のせいだ」

「私が生け贄にはずの子どもだったから」と苦しむ杏に対して、和音はこう伝えました。

※「ランド 3巻」 P149より引用

言いたいことが言えなくなってくると罪悪感を覚えて、自然と自分の感情を殺してしまう。

自分が悪い、ちゃんとしなきゃ、やっちゃいけないんだ・・・

気付いたら、ひとりで勝手に不安や恐怖で縛られて何もできなくなっている。

あなたも、そんな経験ありません?

他者の言葉で壊された杏の叔母・真理とはまた違い、今度は自分自身の言葉で自らを呪ってしまうんです。

「自分なんかじゃ無理だ」

「これだけがんばってもダメなんだからムダ」

呪っている本人は、正しいと信じきっているので自覚がありません。

果たして、その呪いはホントにあなたにとって最良の答えなのでしょうか?

自らの言葉の呪いにかかっていることが自覚できたとき、はじめて見える世界が変わってきます。

日本人の大半は呪われてる

自分自身も不安定、かといって他の人だってみんな不安定。

いったい、何を信じて生きていけばいいんだろうか?

漫画「ランド」で苦悩する登場人物を見ていると、まさに現代社会の縮図を目の当たりにしているような感覚になります。

出世欲が強くマジメで素直な少年、何かを知っている謎の少年、マンウィズみたいに獣を被る少年たち、流されるだけの民衆、赤子を捨てた苦しみで自ら両目を潰した男、その男に捨てられ復讐心だけで生きてきた少女・・・

それぞれが、自分の信念に基づいて必死に生き抜こうとしている姿。

絶望的な環境でひっきりなしに巻き起こる、絶望的な現実の数々。

誰も報われない、けれども「何か」を変えれば希望があるかもしれない。

「何か」がいったい何なのか、今はまだわからないけど・・・

読んでいてもモヤモヤ感が拭えないどころか不安を煽られ続けながらも、少しずつ核心に足を踏み入れている感覚を味わえる作品です。

そして、物語は途中から予想だにしない方向へ展開されていきます。

「今の日本そのもの」と私が表現したもうひとつの意味に気付いたとき、あなたは必ず今年度最大の衝撃を受けます。

※Amazonなら、1巻が無料で読めます!

人気プロブロガー&プロゲーマーCaptainJackさん主催の「ジャックナイト新宿」、よしみも参加します('ω')ノ
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